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―イエコト。― 採用も目標数値設定も社員主導へ!全社の認識がひとつになった経営計画づくり

理念・戦略策定

AUG18, 2022 / Written by sumus-staff

―イエコト。― 採用も目標数値設定も社員主導へ!全社の認識がひとつになった経営計画づくり

設計担当の株式会社トランスデザイン様と施工担当の株式会社トランスワークス様が展開する注文住宅ブランド「イエコト。」。15周年を迎えた2022年に、企業の組織力を高め成長を後押しするツール「手帳」を制作、導入しました。この制作や導入による社内の変化や効果について、株式会社トランスデザイン代表取締役の松岡弘之社長(以下 松岡社長)にお話をうかがいました。

注文住宅ブランド「イエコト。」とは



【本社所在地】 広島県広島市

【従業員数】 20名

サイトやSNS運用にはじまり、新たな悩み解決へ

SUMUS: トランスデザインさんとの出会いは、5年ほど前。そこからWebサイトへの集客やSNS運用、サイトリニューアル、営業力強化など、多岐にわたってサポートさせていただいています。

松岡社長: サイトもSNSも、解析をしながら計画的に運用するというやり方があるということを教えてもらったことで、これまでの考え方を見直さなきゃいけないんだという気づきを得たんです。それまでは、とにかくカッコイイものをつくればOK、広告宣伝のベストなコストバランスもわかっていない、という状況でした。

SUMUS: 今では「イエコト。」さんのInstagramのフォロワー数は4.7万人を超え(2022年7月現在)、広告を使わず通常の投稿をするだけでも多数の予約が入る強い集客力を持つようになりました。これは本当にすごいことで、御社の皆さんがとても熱心に取り組んでくださったのがわかります。年間棟数も30棟から70棟まで一気に成長し、昨年から規格住宅「trip」の展開もはじめましたね。

松岡社長: はい。棟数も社員も順調に増えてきたんですが、社員が一人前になる前に転職してしまうケースがあることに課題を感じるようになりまして。そこで、育成システムが確立できていないのはもとより、そもそもの組織体制をきちんと整えなければ……と、1年ほど前から相談をさせてもらいました。

SUMUS: 当時、私の目には社員全員がきちんと同じ方向を向いているように映っていたんです。きっと確固たる理念や経営計画を掲げていらっしゃるからなんだろうなと。でも、実は明確なものはないというお話を聞いてビックリしました。

松岡社長: みんな、家をつくることが好きだからやってこられたけれど、「何のためにやっているのか」を会社として定められていない状態だったんですよ。

SUMUS: ちょうどそのタイミングでSUMUS社内で理念や経営計画などをまとめた「手帳」が完成したので、松岡社長にもお見せして。「こんなふうに理念や経営計画をまとめていくのもいいよね」という話を皮切りに、御社の手帳もつくることになりました。

大切にすべき価値観を全員で再認識

SUMUS: 手帳を構成する要素は、ポリシー(理念)・スコア(数値目標)・プラン(経営計画)・ルール(社内規則)の4つ。ポリシーの策定では、30名全員で「何のために理念が必要なのか」を共有し、リッツカールトンさんや星野リゾートさんなど他社事例の動画を見て知識をインプットする全体合宿をおこないました。

松岡社長: ここで学んだ企業に共通していたのは、「かたちあるモノだけでなく、お客様に喜んでもらえるコト」を提供していること。とても納得感が強く、建物だけでなく「暮らしそのもの」を提供している私たちにとって、こうした価値観を再認識できる良い機会になりました。また、少しずつ思考がやわらかくなって、「じゃあここはもっとよくできるよね」なんて会話が生まれるようにもなりましたね。

SUMUS: 普段は目の前のことに意識が向きやすいですが、その先にある大切にすべき価値観に皆さんの意識がぐっと集まったわけですね。そこから理念のベースをつくるワークに移りましたが、社長の目にその様子はどう映っていましたか?

松岡社長: 「何を一番大事にしたいか」という問いに対して、とある現場監督が「お客様の笑顔を」と書いていたんですよ。普段こうした話をしたことがなかったので、こんな温かな想いを持ってくれていたんだなという発見がありました。やはり想いを共有し合うと、職種を超えて同じ方を向けるのかもしれないですね。

数字や計画、社内制度の設定までもが、社員主体に

SUMUS: ポリシー策定の次は、今度はスコア・プランの策定へ。過去の売上数値を振り返りながら、今後の数値計画や成長戦略を定めていきました。「○棟売り上げるために○組を集める、そのために○回の見学会をおこなう」という、お客様がたどる経路に沿った具体的な数値目標を持つという視点も共有しましたね。

松岡社長: これまで数字の振り返りはしていましたが、筋道をたてて今後の数字を定めていくという考えまでは至っていなかったんです。でも社員が増えてくると、たとえば「来年は社員を増やして教育に力を入れるから、一時的に売上は下がるかもしれない。でも2〜3年後に育った彼らが売上を上げられればOK」といったように、理念や長期的な成長戦略を踏まえた数値計画が必要なんだと実感しました。また、数年先を見据えたシミュレーションをしながら「なぜこうなったらいいか?」の意見を交換して、社員主体で決めていった。これが全員の納得感につながったように思います。

SUMUS: さらに最後には、就業規則や社内共通言語を定めたルールづくりもおこないました。もともと就業規則はあったんですよね。

松岡社長: はい、でも明確な残業時の申請制度などは定めていませんでした。今回こうして話し合ってみると、それぞれがいろんな意見を持っていたんですよ。その様子を見て、今まで仕組みをつくろうとしなかったから言いにくかったのかもしれないと気づかされました。これを機に計画有休もしっかりと定めたので、休暇取得のハードルも下がりました。会社に与えられた環境ではなく「自分たちで決めたから実現しないといけないよね」というように意識が変わり、社員一人ひとりがより一層努力や工夫をしてくれているように感じます。

「どこを見据えるか」がクリアになり連帯感もUP

SUMUS: 当初、営業・設計チームと施工チームのつながりがあまりスムーズではなく、一つの目標に向かって一致団結している感覚が薄いという話がありました。

松岡社長: はい、でもこのプロセスを通してずいぶんと風通しが良くなり雰囲気に変化がありましたね。「お客様が喜ぶのはこっちかも」とお互い先に考えられるようになったんですよ。また、「どんな未来を見据えて、どんな人材を採用するか」を一緒に考えたことで、注力すべきなのはやはり育成だと社員全員が認識してくれるようになりました。それまで採用基準は私にしかなかったんですが、今は採用したい人物像が全体で共有されているんです。採用活動や育成を少しずつみんなに任せられるようになってきたのは大きな変化だと感じます。

SUMUS: 手帳をつくるプロセスを経て、こんなにも変化があったというのは嬉しい限りです。今後はこの完成した手帳に、皆さんの気づきや追加希望事項を書き込んで、定期的にバージョンアップさせていきたいですね。

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